離婚時、財産分与をできるだけ多く受け取るには何が有効ですか?
離婚時になるべく多くのお金を持って離婚したいという方は、財産分与の仕組みをよく理解する必要があります。
いざ離婚するとなったとき、気になるのは「財産分与がいくらになるのか」という点です。
財産分与を多く貰いたいと思ったら、財産分与の仕組みや相場、夫婦共有の財産について正しく知ることが大切になります。
財産分与とは
財産分与とは、結婚生活を営んでいる間に、夫婦が協力して増やした財産を、それぞれが貢献した割合に応じて個人財産に分配することを言います。結婚前と比べて、夫婦が協力して増やした財産に変化があった場合に請求することが可能です。
たとえば、結婚前と比較して夫の給料が増えて貯金が増えたり、投資で成功したような場合には、妻として、その増えた財産の半分を、財産分与として請求することができるのです。
財産分与の対象になるもの・ならないもの
ではまず、財産分与の対象になるものとならないものについて確認しておきましょう。 財産分与の対象になるもの
- 現金
- 有価証券
- 家具
- 家電
- 年金
- 退職金
財産分与の対象にならないもの
- 結婚する前に一人で貯めていたお金
- 自分の親から相続した財産
- 洋服などの個人的な持ち物
- 結婚する時に一方が実家から持ってきた家具家電
- 個人的に購入した有価証券
- ギャンブルで作った借金
財産分与を決定する3つの方法
次に、財産分与の額を決定する方法についてみていきましょう。財産分与の額を決定する方法は大きく分けて3つになります。 1.話し合い
一番穏便で簡単な方法は、話し合いで決定することです。話し合いで財産分与を決める場合は、まず、対象となるもののリストを作成してから、どの財産をどちらが所有するのかについて話し合いましょう。このとき、あとで「言った言わない」になることを避けるため、きちんと書面で残しておくことが大切です。メールなどで話し合っている場合は、メール文面も保存しておきましょう。
また、別居しているなどで、相手が話し合いに応じてくれない場合も考えられます。そういった場合は「内容証明」を送りましょう。内容証明を送っても話し合いに応じてくれない場合や、話し合いをしたけれどお互いの意見が一致しなかった場合は、調停を行うことになります。
2.調停
調停を申し立てることで、第三者(調停委員)を交えて財産分与を決定することができるようになります。「調停なんて大げさな」と思われるかもしれませんが、調停は家庭裁判所に申し立てるだけで簡単に開くことができます。申し立て費用も収入印紙代金の1200円と手軽です。
申し立てのさいは、以下の書類を揃える必要があります。
調停の申立書およびその写し1通ずつ
@離婚時の夫婦の戸籍謄本
A財産目録
B夫婦双方の財産に関する書類(給与明細、預金通帳写し、不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、退職金の明細など)
3.裁判
調停で離婚と財産分与、両方について争っていて、決着が付かなかった場合は、裁判によって離婚・財産分与について決定することになります。裁判になると長引く可能性も出てくるので、できれば調停で解決をしておきたいところです。
財産分与をできるだけ多く受け取る2つの方法
財産分与は、共働きでも、専業主婦(夫)でも二分の一が相場です。つぎに、できるだけ財産分与を多く得る方法について解説していきます。 1.証拠を集める
財産分与をできるだけ多く受け取るために大切なことは、「隠している財産がないか確認すること」です。財産をできるだけ明らかにするため、以下の証拠を集めましょう。
- 配偶者・元配偶者の預貯金通帳、または通帳のコピー
- 所得を証明する書類(給与明細、確定申告書類など)
- 生命保険に関する書類
- 証券口座の明細(株をしている場合)
- 不動産登記簿
知らなかった財産を見つけた場合、その分受け取り額も大きくなります。配偶者・元配偶者が情報を開示してくれない場合には、弁護士に依頼し、「弁護士会照会制度」を利用することにより、預貯金を調査することができる場合もあります。気になった方は、弁護士に相談してみましょう。
2.主張する
財産分与は二分の一が相場とされていますが、例外もあります。たとえば、夫婦の協力関係がまったく機能していなかった、など、二人で築き上げた財産ではないという主張がされた場合、財産分与の割合が変化する可能性もあります。配偶者・元配偶者がまったく財産を作る過程に協力していなかった場合、自分自身の貢献度を主張することで、二分の一以上の割合を受け取ることができる可能性があります。
最後に
今回は、離婚時の財産分与について解説してきました。財産分与は、離婚してから2年の間に請求する必要があります。時効になってしまわないように、速やかに請求を行いましょう。 よくある質問