浮気の慰謝料を内容証明郵便を使って請求できますか?
浮気の慰謝料を自分で請求できるのか
浮気の慰謝料は自分で請求することができます。
浮気をしたパートナーと浮気相手に対して、浮気によって被った被害の損害賠償を行う権利があります。
浮気の慰謝料請求というと、弁護士を雇って裁判を行い、裁判所の判決を待たないといけないと、思っている人も多いですが、裁判を通さずに自分で慰謝料の交渉を行うことは可能です。
自分で慰謝料を請求する方法として、パートナーと浮気相手の二人と直接交渉を行い、示談という形で慰謝料を請求する方法がよく知られています。
当事者同士の示談なら、弁護士や裁判所を通さずに慰謝料を請求することができます。
しかし、示談交渉で慰謝料を請求した場合、話し合いの段階で互いの言い分が食い違うことは多々あります。
特にメールや電話でパートナーと浮気相手の二人に連絡を取り合っていると、メール内容や電話内容で「言った言っていない」の水掛け論になるケースは多々あります。
こうした事態を防ぐ方法として、浮気の慰謝料請求でパートナーと浮気相手の二人への連絡手段として、内容証明郵便があります。
内容証明郵便は全国の郵便局で取り扱っている郵便物の文書内容を郵便局が証明する特殊郵便のことです。
内容証明郵便をパートナーと浮気相手に送ることで、連絡の食い違いを防ぐことができます。
では、この内容証明郵便による浮気の慰謝料請求にどんなメリットとデメリットがあるのか、内容証明郵便の送り方について簡単にご紹介したいと思います。
内容証明で慰謝料を請求するメリットとデメリット
内容証明郵便は、郵便局が「こんな文書を何日に誰宛に送りました」という証明をしてくれる特殊な郵便です。
内容証明郵便が使われる場面として、債権請求の通知書、クーリングオフの通知、その他契約に関わる解除等の通知に使われます。
浮気の慰謝料を請求する際にも、この内容証明郵便を慰謝料を請求する相手側に送れば、郵便局が通知した事を保証してくれます。
内容証明を使うのは慰謝料請求で大きなメリットと思われますが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。
内容証明のメリット
- 慰謝料を請求した相手に対してプレッシャーを与えることが出来る
- 浮気の慰謝料を請求できる時効までに猶予期間を得られる
内容証明を送ることで、一番大きなメリットは、慰謝料を請求した相手に対して大きなプレッシャーを与えることができるという点です。
内容証明郵便を受け取る機会のある人というのはそうそういません。
そのため内容証明郵便が届いた時点で相手は大きなプレッシャーを感じます。
浮気の慰謝料の支払いが一時的に滞っていた場合などでは、この内容証明のプレッシャーのおかげで、止まっていた慰謝料の支払いが再開されることもあります。
また、浮気の慰謝料請求には時効が存在します。
慰謝料を請求しても相手が時効までに慰謝料を払ってくれないという場合、内容証明郵便を送ることで時効までに猶予期間を得ることができます。
内容証明のデメリット
- 内容証明を送ったら慰謝料を払って貰えるとは限らない
- 内容証明に法的執行力などの効果はない
内容証明のデメリットとして、浮気の慰謝料を内容証明で請求しても、必ずしも慰謝料を払ってくれるとは限らないということです。
内容証明はあくまで相手に慰謝料を請求したという証明を残すことができますが、慰謝料を払うかどうかを確約してくれる物ではありません。
あくまで慰謝料請求の通知手段のひとつが内容証明郵便ということです。
また、内容証明には法的執行力、拘束力といったものがありません。内容証明郵便で慰謝料を請求したからといって、その内容に法的な効果は期待できません。
内容証明の作成方法とは
自分で内容証明を送るためには、内容証明の書式に従って内容を作成する必要があります。
内容証明を作成する際の文面の流れについては、下記の1〜4を参考にしてください。
- 内容証明のタイトル「通知書」または「慰謝料請求書」
- 慰謝料を請求する内容、慰謝料の支払い期日、または内容証明に対する回答期日
- 法的措置を取る旨を伝える一文
- 内容証明を送る日付、内容証明の送り手の住所と名前、内容証明の送り先の住所と名前
内容証明の基本的な文面は1〜4の流れで作成します。文章の文言については、自分なりの表現で構いません。
慰謝料の支払い期日と慰謝料請求の内容証明に対する回答期日を忘れずに記入します。
また、内容証明は郵便局が定める文字数と行数で作成する必要があります。
横書きの場合
・用紙1枚に対して1行20文字以内、26行以内で作成
・用紙1枚に対して1行26文字以内、20行以内で作成
縦書きの場合
この文字数と行数を守って内容証明を作成してください。
内容証明の内容の中で、記号や句読点も1文字と計算されるので注意してください。
また、用紙1枚に内容が全て収まらない場合は、2枚以上の用紙が必要になります。内容証明が2枚以上の場合、契印が必要となりますので、印鑑をあらかじめ用意しておきましょう。
内容証明の原本を作成したら、相手に送るための物と自分で保管するための物、計2通の複写を用意します。
内容証明を作成できたら、内容証明郵便取扱がある郵便局に複写の2通を持って行きます。自分で内容証明の文書を書くのが難しいという場合は、行政書士や弁護士に依頼をして文書の作成を代行してもらうのもひとつの方法です。