配偶者からDVを受けています。離婚するにはどんな準備が必要ですか?
DVが原因で離婚をする場合、DV被害の証拠が必要になります。DV被害の証拠の集め方と離婚の手続きについてご紹介します。
配偶者からのDVで離婚する場合に準備すること
配偶者からのDV(ドメスティック・バイオレンス)で離婚を考えている場合、準備することがあります。
今回はDVが原因の離婚をスムーズにする方法について解説していきます。
DVが原因での離婚は認められる?
DVで離婚をしようと決意した場合、まず心配になるのが、
「DVが理由で離婚が認められるのだろうか」という点でしょう。
その点は安心してください。
配偶者への暴力はどんな形であっても離婚の理由になります。
離婚の原因になる暴力とは、肉体的DVだけではなく、
精神的DV(モラル・ハラスメント)や経済的DVも含まれます。
具体的には、
- 髪の毛をつかんで引っ張る
- 殴ったり蹴ったりする
- つばを吐きかける
- 物にあたったり、壊したりして威嚇する
- 暴言を吐く
- 子供を殴る
- 「お前はバカだ」などと侮蔑する
- 人格を否定する言動を繰り返す
- 過剰に束縛し、周りから孤立させる
- 生活費を渡さない
- 生活費をギャンブルなどで浪費する
離婚の準備とDVを証明する証拠を集めよう
次に、DVで離婚するための準備について確認していきましょう。
第三者に相談
一般的に、離婚には3つの方法があります。
ひとつめは「協議離婚」。
協議離婚は、夫婦間の話し合いによって離婚を決定する方法です。
つぎに「調停離婚」。
調停委員を間にはさんで話し合う離婚の方法です。
最後に「裁判離婚」。
調停でも離婚に関する条件が合意に達しなかった場合にとられる方法で、裁判で離婚について争います。
裁判離婚は時間もお金もかかるため、調停で決着がつくのが理想ですが、
こじれている場合には裁判にもつれ込む場合も多々あります。
さて、DVでの離婚の場合、夫婦で話し合って穏便に離婚にいたることはまずないでしょう。
ですから、協議離婚といっても夫婦ふたりで話し合って決めるのは危険です。
場合によっては、離婚を切り出しただけで殴るけるなどの被害を受けてしまう危険もあります。
ですから、離婚を検討されている場合は、弁護士などの法律に詳しい第三者に相談してみましょう。
「弁護士に知り合いなんていないし、誰に相談していいのかわからない」という場合は、弁護士の無料相談サービスを使って一度相談してみましょう。
DVの証拠を集める
DVを理由に離婚する場合、相手に「DVなんてしていない」と言われてしまったら、離婚がスムーズにできにくくなります。
ですから、できるだけたくさんDVを受けていたという証拠を集める必要があります。
DVの証拠として具体的には、
- 殴られたり蹴られたりしている音声
- 暴言がかきこまれたメール
- 壊れた物品の写真
- 病院にいったときの診断書
- 壊れた物品の修理見積書
- 親しい人、DVを目撃した人からの証言
- DVを受けていたことが書かれている日記やメモ
- 殴られたところがアザになっているところをうつした写真
- 相手が暴力をふるった後に荒れた部屋の写真
などが挙げられます。
証拠は多ければ多いほどいいのですが、注意しなければならないのは、
配偶者にバレずに証拠を集める必要があるという点です。
DVをはたらく人間は、証拠を集められていると分かった時点で逆上する可能性があります。バレないようにこっそり証拠を集めましょう。
一時避難
DVがひどい場合は、各自治体や警察に相談してみましょう。
危険度が高いと判断された場合、一時避難用のシェルターを紹介してもらえます。
「ちょっと我慢すれば大丈夫」と考えていては手遅れになってしまう場合もあります。
悲しいことですが、配偶者からの暴力で亡くなった人数が0の年はありません。
命の危険も考えて、できればDV加害者からは距離をおくようにしましょう。
警察に被害届を出す
また、DV加害者から身を守るために警察に被害届を出しておきましょう。
第三者を交えて離婚について交渉する
DVの証拠がそろったら、離婚に向けて準備を進めましょう。
DV加害者と直接交渉するのが危険な場合には、弁護士などの代理人に交渉してもらいましょう。
話し合いで決着がつかない場合には、調停または裁判を行い、離婚を進めることになります。
DV加害者との復縁は考えられる?
今回は、DVによる離婚の準備について簡単に解説してきました。
DV加害者は、一時は「もうしないから」と反省の色を見せることが多いのですが、実際にはなかなか更生しません。DV加害者から身を守るために、きっぱりと絶縁しましょう。
「まだ離婚はできる状態じゃない。生活費などが心配だけどDVされて困っている」「弁護士に依頼する費用はないけど、誰かに話を聞いてほしい」
という場合には、内閣府が設置しているDV相談ナビに相談してみましょう。
DV被害にあっている場合は、ひとりで悩まずに、行政機関や弁護士、親しい人など周囲の人を頼りましょう。
その他のよくある質問