婚約者の浮気が原因で婚約破棄したら、慰謝料は請求できますか？
浮気で婚約破棄！ 婚約中の浮気行為に慰謝料請求できる？
結婚している場合、配偶者が浮気をしたら慰謝料を請求できるのは皆さんご存知かと思います。
では、婚約者が浮気をした場合、慰謝料の請求はできるのでしょうか？
答えは、「請求できる」です。
ただし、慰謝料が実際に認められるには条件があります。
今回は、
- 婚約中の浮気で慰謝料が認められる条件
- 浮気相手にも慰謝料を請求できるのか
- 浮気で婚約破棄をした場合の慰謝料の相場
- 浮気で婚約破棄をした場合の慰謝料が高額になるケース
について解説していきます。
「婚約者の浮気と破談で傷ついた心を慰謝料で償ってほしい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも婚約とは？
慰謝料について確認する前に、まずは「婚約とは何か」について確認しておきましょう。婚約とは、端的に言えば、「将来的に結婚をしようとする男女間の約束」のことを言います。
婚約は、契約書を交わす必要はなく、口約束でも成立することは成立します。
ですが、口約束では、言った言わないといった争いになりやすく、実際に結婚する合意が取れていたのかは微妙なところになります。
ですから、婚約を証明するためには、なんらかの証拠が必要になります。
婚約が成立していたことの証拠としては、婚約指輪を購入していたり、結納を交わしていたり、両親へ結婚するむねの挨拶をしていた、ということが挙げられます。
婚約中の浮気で慰謝料が認められる条件
婚約中の浮気でも、条件さえ満たせば慰謝料が認められます。
その条件は２つあります。
- 婚約していることを証明できる
- 相手が浮気をしていたことを証明できる
この２点両方を満たしていなければ、裁判で慰謝料を勝ち取ることは難しいです。
では、それぞれの条件について詳細に見ていきましょう。
条件①婚約していることを証明
なぜ婚約の証明が必要？結婚の場合と違って、婚約の際は「婚約していること」を証明する必要があります。
理由は、２人の関係が法律の保護や規制の範疇にあるかどうかが焦点になるからです。
婚姻関係の場合、夫婦間に貞操義務があります。
浮気はこれに違反するため、慰謝料を請求できるのです。
婚約の場合も、法律上では「婚姻の予約契約」として扱われます。
よって、結婚同様、法律の保護の範疇になります。
一方、ごく一般的な恋人同士の場合は自由恋愛なので、法的な保護や規制がありません。よって、パートナーに浮気をされても慰謝料の請求はできません。
そのため、婚約中に慰謝料を請求するためには、「私たちは恋人ではなく、婚約している仲です」と証明する必要があるのです。
婚約の証明となるものは？婚約は結婚とちがって「婚姻届」のようなわかりやすい証明書がほとんどありません。
裁判で婚約していると認められる証拠には次のようなものがあります。
- 婚約証明書
- 同居している場合、賃貸借契約書の同居人続柄欄に「婚約者」と記載がある
- 結婚式や披露宴を行った場合、それを証明できる写真や資料など
- 結婚式場を予約した場合、それを証明できる契約書など
- 結納を行ったとわかる写真など
- 婚約指輪、それを購入したとわかる領収書など
- 他人の証言
など
口頭での約束は証拠になる？婚約は、口約束でも成立が認められます。ですが、裁判になったとき、口約束だけでは婚約と認められないケースが多いのが現実です。
たとえばあなたが「口頭で約束した」と訴えても、相手は「覚えがない」と、とぼけるかもしれません。
また、口頭で言ったことを認めても、「つい口走っただけ」「軽い気持ちだった」と言い逃れする可能性もあります。そうなれば、立証は困難になります。
条件②相手が浮気をしていたことを証明
浮気の証明となるものは？浮気の慰謝料を請求する際に必要なのは、「相手が浮気をしていたという証拠」です。
裁判は証拠主義です。いくら口頭で「浮気をされた」と訴えても、浮気の事実が確認できなければ裁判所は慰謝料を認めません。
そのため、相手が浮気をしたという証拠を揃えておく必要があります。
浮気の証拠として認められるもの- パートナーと浮気相手がラブホテルや相手の自宅へ入っていく写真や動画
- ラブホテルのレシートや領収書、クレジットカードの履歴
- パートナーが浮気の事実を認める音声や動画
- 浮気相手と肉体関係があったことを彷彿とさせるLINEやメール
浮気の証拠として認められにくいもの- パートナーと浮気相手がキスやハグをしている写真や動画
- 「好きだよ」などのLINEやメール
- 浮気相手との通話記録
- シティホテルのレシートや領収書
裁判で浮気と認められる要件は「肉体関係があるとわかること」です。
一般的な感覚でいえばキスやハグは「浮気」のように思いますが、裁判では違うので注意しましょう。
証拠は多ければ多いほどいい浮気の証拠は１回きりでなく、複数回押さえておくことをオススメします。
１回きりでは、パートナーが「一夜の過ちだった」などと言い逃れをする可能性もあり、証拠能力が弱くなります。
また、浮気の慰謝料は、浮気期間が長ければ長いほど、逢瀬の回数が多ければ多いほど、高額になる傾向にあります。
より悪質だと判断されるためです。
なので、浮気の証拠は多めに押さえておいたほうが得策です。
浮気相手にも慰謝料を請求できるのか？
結婚しているときに配偶者が浮気をしたら、配偶者だけでなく浮気相手にも慰謝料請求が可能です。では婚約中の場合はどうなのでしょうか？
婚約であっても、浮気相手に慰謝料を請求することはできます。
ですが、実際に浮気相手から慰謝料を取るのは難しいというのが現状です。
というのも、浮気相手から慰謝料を取るには、浮気相手が「婚約しているのを知っていた」ことが条件となるからです。
結婚であれば、戸籍であったり子どもがいたりなど、外からでも「結婚している」と判断しやすいですが、婚約はあくまで約束です。
黙っていればわからないため、「婚約を知らなかった」といわれてしまえば、知っていたことを証明できない限り、裁判で慰謝料は認められにくいのです。
浮気で婚約破棄をした場合の慰謝料の相場と高くなるケース
婚約破棄による慰謝料の相場浮気による婚約破棄の慰謝料は５０万～２００万円ほどが一般的です。
もちろん、諸条件によっては額が高くなることもありますし、低くなることもあります。
慰謝料が高くなる条件浮気で婚約破棄をした場合の慰謝料が高額になるケースがいくつかあります。
- 妊娠していた
- 結婚を理由に退職していた
- 交際期間が長かった
- 婚約が周知の事実となっている
- 浮気期間が長く、回数も多くて悪質
慰謝料請求には念入りな「準備」を
今回は、婚約者の浮気が原因で婚約破棄した場合の慰謝料請求についてご紹介しました。
慰謝料を請求するときにとにかく大事なことは、文中でも触れましたが、「証拠」です。
特に浮気の慰謝料請求の場合には、浮気の証拠なしにはまず裁判では相手にされません。 逆にきちんと証拠を押さえていることで悪質性が認められて慰謝料が増額するケースもあります。
自分ひとりで証拠を掴むのが難しいと感じたようなときには、探偵事務所や興信所に相談してみるといいでしょう。相談や見積もりは無料だというところも多いので、ぜひ活用してみてください。
よくある質問
